8月5日の午後、御茶ノ水で開催されたセミナーに参加しました。
テーマは「眼瞼腫瘤~クライオプローブによる凍結法」で、講師は獣医眼科専門医の小林一郎先生と、中山動物病院の中山功先生です。
眼瞼とは、いわゆる「まぶた」の事です。
この「まぶた」に発生したシコリを眼瞼腫瘤と呼びますが、小さくても眼に刺激を与えて眼脂(目ヤニ)が増えたり、角膜に傷が出来ることもあります。また、大きくなると切除した時に眼瞼が小さくなり、表情が変わってしまう可能性もありますので、基本的には小さいうちに手術で切除することが推奨されます。
ところが、高齢や持病により麻酔のリスクが高い場合、飼主様が麻酔処置をご希望されない場合などでは、小さいうちに摘出するという理想的な方法で治療が行えないケースもあります。
そのような時に、「凍結治療」が有効な手段となり得ます。
凍結治療とは、文字通り凍結させることで腫瘍細胞を壊死させて腫瘍を縮小/消失させる治療ですが、人医療においても特に腫瘍治療分野において使用される手法であり、古くから行われている治療ですが、現在でも重要な治療法となっています。
当院でも、「クライオプローブ」という凍結治療器を導入して、適応となる場合には実施しています。
また、眼瞼腫瘤だけではなく、体表の小型の良性腫瘍では適応となる場合がありますので、治療選択肢のひとつとしてご提示することがあります。
今回のセミナーでは、眼瞼腫瘤の臨床的アプローチ、凍結治療の基礎と応用について知識をアップデートすることができました。日々の診療に役立てていきたいと思います。 (写真は会場前のニコライ聖堂です。あまりにも綺麗でしたので思わずパシャリ)