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院長 山本

学会に参加しました


本日は、秋葉原にて開催された、獣医アトピー・アレルギー・免疫学会のシンポジウムに参加しました。日本を代表するアレルギーの研究者や、臨床の現場で活躍されている先生方の実践的な話を聴講することができて、非常に勉強になりました。

 午前中は、重要なアレルギーのタイプである「Ⅳ型アレルギー(Ⅳ型過敏症)」について学びました。

 人で代表的なアレルギーである花粉症はⅠ型と呼ばれ、IgEという抗体を介した反応であり、「即時型過敏症」とも呼ばれます。ワンちゃんで代表的なⅠ型アレルギーには「アトピー性皮膚炎」があります。  一方、抗体を介さないアレルギーがⅣ型であり、この反応には時間がかかるため、「遅延型過敏症」と呼ばれます。人では臓器移植時の拒絶反応や接触性皮膚炎がこれにあたり、獣医領域では、リンパ球タイプの食物アレルギーや猫喘息がⅣ型と考えられています。

 近年、ワンちゃんではリンパ球タイプの食物アレルギーが非常に多くみられるようになっており、適切な診断治療のためにⅣ型アレルギーについての正確かつ最新の知識が重要となります。  従来のIgE測定では、このリンパ球タイプの食物アレルギーは診断できませんでしたが、精度の高い検査が開発されたおかげでⅣ型アレルギーを的確に診断することができるようになりました。これからもアップデートを心がけて、正確な診断ができるようにしていきたいと考えています。

 午後は、「アレルギー性呼吸疾患」について、人と動物の両者の講演を聴講しました。難治性の呼吸器疾患においてCT検査が有用であることも再認識できました。必要に応じて大学病院等の二次診療施設をご紹介させていただく場合もありますのでご了承ください。

 呼吸器疾患を有する患者さんにおいては、「気道刺激」が発症にかかわる重要なファクターとなります。気道を刺激するものとしては、タバコの副流煙等の煙、香水やスプレー式消臭剤などが有名ですが、冷たい空気等も発咳を促す要因となります。人よりも低い位置で生活する動物の場合には、人よりも気道刺激物の影響を受けやすいですから、極力避けるようにしたいですね。

 呼吸器症状でお悩みの場合には、時間をかけて詳しくお話をお聞きすることがあると思います。「ちょっとしたこと」や「たいしたことではないこと」と思っていても、意外と影響が大きい場合もありますので、気になることがあればなんでも教えていただければと思います。

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