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院長 山本

セミナーに参加しました


 田町にて開催された学術セミナーに参加しました。テーマは「整形内科」です。

 朝から夜まで、各分野のプロフェッショナルによる内容盛りだくさんの話を聞いて勉強してきました!長時間に及ぶ濃密な内容でしたので、終わる頃はちょっとヘトヘトでした(^_^;)

 「内科?整形外科じゃないの?」と思われる方が多いと思います。

 整形外科という名前があまりにも有名すぎるために勘違いをされがちなのですが、整形疾患と向き合うには外科だけでは不十分であり、それ以上に重要とも言えるのが内科的介入なのです。

 人の場合には、整形疾患のうち手術を受ける患者さんは全体の1%程度だと言われており、動物の場合もおそらく同等かそれ以下と推定されます。それ以外の99%以上の患者さんに対する内科的なケアを実施していくことは、進行を遅らせる、あるいは手術を回避するために重要であることは明白ですが、自覚症状を訴えない動物の場合には、99%の患者さんの多くは、整形疾患を患っていることを認識してもらえずに生活しているのが現状です。

 高齢者の整形疾患が多い人と比較して、動物の場合には犬種好発性運動器疾患が多いことも「整形内科」の重要性が高まる要因となっています。

 犬種好発性運動器疾患は成長期から発症することが多く、長い年月にわたって上手に付き合っていく必要があるのです。

 代表的なものには、膝蓋骨脱臼、レッグペルテス、肩関節脱臼、環軸亜脱臼、股関節形成不全等がありますが、近年はトイプードルをはじめとした小型犬が多いため、とりわけ、膝蓋骨脱臼やレッグペルテス等がよく経験されます。

 また、中年齢以降では、免疫介在性関節炎、変形性関節症、椎間板ヘルニア等が多くみられ、膝の前十字靭帯疾患も非常によく遭遇する疾患です。

 いずれにしても、誰が見ても明らかな異常である「症状」が生じる前に、プロがよく観察して検出できる「兆候」がみられることが多く、「兆候」の段階で見つけてあげて適切な内科的介入を実施することで、進行を遅らせて「症状」がでるまでの期間を極力長くしてあげることができるのです。そのことが動物達のQOL(生活の質)を保ち、ご家族との幸せな生活を送るために重要であると考えます。

 「兆候」を正確に検出して適切な治療を実施するために、知識と技術の向上を目指して研鑽を積んでいくことが重要と考え、積極的にセミナー等に参加していますが、適切な治療が受けられずに生活をしている多くの潜在的な整形疾患患者さんに対して、早期発見・早期治療を受けられるようにすることも私たちの重要な仕事です。

 そのためには、定期的に健診に来院していただくことが必要となります。現在も定期健診のご案内をさせていただいていますが、今後も積極的に定期健診の重要性をお知らせしていきたいと思います。

 動物病院は「病気になったら行く場所」ではなく、「病気にならないために行く場所」でもありますので、上手に動物病院を利用していただきたいと思います。

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