本日は、熊谷家畜保健衛生所にて行われた、埼玉県獣医師会北支部の慰霊祭および学術講習会に参加しました。 講習会のテーマは「明日からの診療に役立つ抗菌薬情報」で、講師はDSファーマアニマルヘルス(株)の松本修治先生です。鹿児島大学でも教鞭をとっていらっしゃる抗菌薬のスペシャリストです。 抗菌薬は非常によく使われるお薬であり、人や動物の命を数多く助けることができる大切なお薬ですが、抗菌薬使用に際しては、常に「耐性菌」という問題が付きまといます。写真では、2050年には耐性菌によって世界で1000万人の方が亡くなるという推定が示されています。これは、がんで亡くなる方より多く、交通事故で亡くなる方の10倍近くの数にのぼります。耐性菌に対する対策をとらないとこのような事態に陥るかも知れません。
抗菌薬には様々な特徴があります。その特徴をよく知り、やみくもに抗菌薬を使用することを控えることが、極力、耐性菌を増やさないために必要だと考えます。
今回のセミナーでは、主要な感染症での分離菌、各種抗菌薬の分類・作用機序・抗菌力・抗菌スペクトラム・血中濃度・組織中濃度、PK(薬物動態学)/PD(薬力学)理論とその活用法、耐性菌対策について、抗菌薬同士の併用効果、他の薬剤との相互作用、特殊なケースでの抗菌薬の使用法などを学びました。
明日からの診療に役立てていきたいと思います。